国務大臣は適材適所を登用せよ

水泳の池江選手が白血病を公表したニュースには驚かされた。

私は親族が悪性リンパ腫という白血病の一種を患い、その悲壮な闘病生活を間近で見た人間であるがゆえに大きな衝撃を受けた。

なぜ、こんなに努力家の若者が…そう思わざるを得ない。

決して悲観な事を言うわけではないが、甘い病気ではないのも事実であり、今は水泳やオリンピックの事は隅に置いてでも治療に専念していただきたい。そして再びあの力強い泳ぎと素敵な笑顔を我々ファンや国民に見せていただきたい。


ところでこのニュースをきっかけに炎上している国会議員がいる。桜田五輪担当大臣である。


桜田氏は池江選手が白血病を公表した事への受け止めを記者に問われ、


がっかりしている。


と答えたと報じられたのだ。


未来ある若者が深刻な病をかかえ、今から壮絶な闘病生活が始まるというのにがっかりとは何事か…確かにそう言われても仕方ない。

実際、比較的安倍政権を支持している有識者やジャーナリストからも批判の声があがっている。


しかし、これにはウラがあった。

桜田氏ががっかりしていると発言した部分のみを切り取り報じられた事が発覚した。

桜田氏が記者に答えている映像を全て見てみると、話の内容の9割は池江選手を心から心配し、早い回復を祈るような内容であったのだ。

マスコミは本当に我々国民に必要な情報を伝えようとしていない事はとっくに承知しているが、正直まだやるのかと思う。視聴率の為に不用な部分に火を付けたりエッジを立てたりやる事がまるで活動家そのものだ。恥を知れ恥を。


ただし、今回の一件はマスコミのゴミくず具合と共に桜田氏の能力の無さも浮き彫りになったと筆者は感じる。

切り取られたとはいえ、がっかりしたという日本語をチョイスする神経は正直理解できず、擁護もできない。また、既存のメディアは安倍政権に否定的なメディアが大半であると安倍政権の国務大臣が理解していないのも問題だ。切り取られるに決まっていると心して囲み取材を受ける必要があったはずだ。

安倍政権の大臣では震災が東北で良かったっいう暴言を吐いた復興大臣や、火器管制レーダー照射をしてきたならず者国家に喝一つ入れられない防衛大臣など、素人目に見ても適正の無い人がポストに就いている例が目立つ。申し訳ないが、桜田氏もその1人であろう。


ではなぜそのような事になるのか。


これは安倍政権に限らずどの政権であっても言えるのだが、防衛に精通しているから防衛大臣、教育に精通しているから文科大臣という選び方よりも、当選回数や議員年数、派閥所属議員のバランスなどが重視されている実態があるからに他ならない。

信じられないかもしれないが、当選回数と議員年数が一定に達した大臣ポスト待機組なる議員が沢山いて、内閣改造の度にその中から一定数の人を適当な大臣ポストに据える、こんな事がずっと繰り返されている。

適材適所の人材を登用せず、僕まだ大臣できないの?とか、私の派閥から大臣出してくれないと次の総裁選違う人応援するよ?などという我々国民には全く関係の無い声を重視し国務大臣を決める…この結果ががっかりした発言を産んでしまったのではないか?

防衛大臣自衛隊からの信頼が厚かった小野寺氏を変える必要性も全くわからないし、そもそも五輪担当大臣って何なのか?あまり必要性を感じない。


内閣というのは我々国民が選挙で選んだ多数派の政党が組閣する。総理大臣にはもっと真剣に内閣を組閣していただきたい。

大臣待機組?派閥?そんな事は我々には関係が無い。このデフレ下の中でもはやデフレでは無いから増税できるなどと病的な発言をする財務大臣もどうかと思うが…

また、池江選手を政争の具に使った野党議員にも強烈な不満を申し添えておきたい。大臣の首を取る為なら他人の不幸を使う事もいとわないとは、語るに落ちた。即刻議員を辞め、己の生き様を見つめ直せ。視聴率を稼ぐ為に池江選手を利用するマスコミ諸君もいつまでも視聴者である我々をコントロールできると思っていたら大間違いだ。国民の知る権利の為に奉仕できないのであれば退場していただいて結構。今はネット環境が進化しているのではっきり言って君たちはあまり必要性がない存在なのだよ。その事をしっかり肝に命じておくように。


最後に、池江選手の事で必要以上に騒ぎ立てるのは本人の為にならない。我々国民は静かに、心の中で彼女を応援しよう。

次池江選手の事で騒ぐのは彼女がプールサイドに戻ってきた時だ。


海ゆかば